富永鈴香
昔話に登場するモノや、昔話がどんな方法で伝えられてきたのかに焦点を当てた企画展「むかしのはなし」が12日、水戸市の茨城県立歴史館で始まった。10月9日まで。
例えば、「桃太郎」でおじいさんが刈った「シバ」ってどんなものだろう?
そんな疑問に、実物を展示して答えてくれる。「芝」ではなく「柴」のこと。かまどや囲炉裏で燃やすために使う木の枝だ。
「浦島太郎」が持ち帰った「玉手箱(櫛笥〈くしげ〉)」や「カチカチ山」の「火打石」などもあり、展示品は約50点。モノの使われ方や昔の生活を学ぶことができる。
ローカルな物語も取り上げている。ひたちなか市では「浦島太郎」が潜ったのは海ではなく川と伝わっていたことや、高萩市で語り継がれてきた「弁当が仕事」も紹介している。
口伝えだった物語が、時代が下って絵巻物や本に記されていく変遷もうかがい知れる。その一つが、国指定重要文化財の竹取物語の絵巻で、前期の9月10日まで展示されている。
企画した学芸員の森戸日咲子(ひさこ)さんは「子どもたちが想像を深めるきっかけにしてほしい。語る人や地域、時代によって話の中身が変わる面白さもある。ぜひ地域のおじいさんおばあさんに昔話について聞いてみて下さい」と話している。
午前9時半~午後5時。月曜休館。一般350円、高校生以下などは無料。8月20日午後2時からは、同館講堂で「むかしのはなし」口演会がある。事前予約が必要。問い合わせは同館(029・225・4425)へ。(富永鈴香)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル